熱音響現象を利用した新しい音響デバイスの評価技術の確立とその応用
Project/Area Number |
16760047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied physics, general
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
琵琶 哲志 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50314034)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 熱音響現象 / エネルギー変換 / 音響パワー / スターリングサイクル / 熱工学 / ノンフロン冷凍技術 / 流体力学 / エネルギー流 / 音響強度 / 流速測定 |
Research Abstract |
熱エネルギーから流体の自発的振動運動(音波)を発生することや音波を使った冷凍の実現など,熱と音波の間の相互エネルギー変換現象は熱音響現象と呼ばれる.特に進行波音波が関与する熱音響現象においては,振動流体はスターリングサイクルと同様の熱力学的サイクルを実行することが21世紀に入ってから実証され,注目を集めている.スターリングサイクルは可逆サイクルであるため,ピストンなどの可動部の代わりに音波を使った効率の良いエネルギー変換システムが構築できる可能性があるからである.本研究では,熱(熱源温度400℃)から動力として音波を発生し,その音波を使って低温(冷凍温度マイナス25℃)を生成する試作熱音響スターリング冷凍機を研究対象とし,これを新しい低温生成技術として発展させるために(1)圧力計測による音響パワーの測定手法を確立し,(2)測定結果に基づいて性能向上を果たすことを目的とした. (1)音響パワーは管内音波中の圧力変動(音圧)と流速変動(音響粒子速度)で与えられるが,試作機は加圧ガスを利用するため,その流速変動(~200Hz)の計測は困難であった.そこで管内圧力を複数箇所で同時に計測することで,音響パワーの管軸方向の分布を明らかにする手法の開発に取り組んだ(平成16年度).テスト共鳴管に対して適用し,その有効性を実証した. (2)試作熱音響スターリング冷凍機の音波発生部において音響パワーと熱エネルギーの計測を行った結果,熱音響エネルギー変換効率はカルノー効率の25%が達成可能なことが分かった.これは既存のエネルギー変換機器に匹敵する値である.その一方で,音響流と呼ばれる定常的質量流が電気ヒータによる発熱量を運び去るため,発熱量の30%しか実質的にエネルギー変換に寄与しないことが明らかになった.音響的に透明なゴム膜を利用することで音響流を抑制し,冷凍性能を向上させた.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)