Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Research Abstract |
身体運動の軸機関および支持機関である腰椎の疾患に対する診断において,疾患により生じた身体不安定性の程度を把握することは,適切な治療方針・手術手技を決定する上で極めて重要である.しかしながら,腰椎損傷と不安定性との関係を系統的に調査した報告はほとんど無く,腰椎不安定性を一定の基準をもって,客観的・定量的に評価する手法も未だ確立されていない.このような背景から本研究では,6自由度のパラレルメカニズムを利用することにより,任意の自由度において変位および荷重制御下での負荷試験を可能とした脊椎強度測定用力学試験機を導入し,脊椎の変形挙動を精密に調査することの重要性について検討した.その結果,イノシシ屍体脊椎を用いた基礎実験において,例えば,椎間板に損傷を加えると,ニュートラルゾーンは前屈,後屈および側屈のすべての方向に等方的に増大するのに対し,椎間可動域は前屈および側屈方向にのみ大きく増加することなど,脊権損傷と不安定性との関係を解明する上で,複雑な脊椎変形挙動を正確に把握することの重要性を示唆することができた.また,術中に腰椎の不安定性を計測するための測定器の開発に関して,これまでに本研究で開発してきた不安定性測定器を,整形外科専門医の協力の下で実際の臨床現場にて適用することにより,その臨床有用性について検討した.さらに,椎体スペーサや胸腰椎前方instrumentation等の従来の体内固定具の有効性について力学的に調査するとともに,形状記憶合金のユニークな力学特性を利用した新しい体内固定具の開発を試みた.また,椎間板変性の程度を非侵襲・非観血的に評価することのできる診断システムの確立を目指し,MRI(磁気共鳴画像診断装置)における磁化移動効果を利用することにより組織の線維化の程度を定量値化し得るEquivalent Cross-relaxation Rateを用いて,腰椎椎間板の変性状態の定量的評価を試みた.
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