Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Research Abstract |
本年度の研究では,昨年度の研究に引き続き,泥漿の調製条件を再検討しながら,特に,中子溶解時および結合剤樹脂の熱脱脂時に生じるクラックの抑制技術について詳しく検討した.得られた結果を以下に示す. 1.結合剤樹脂の熱脱脂特性について詳しく検討したところ,現在使用しているエポキシアクリレート系樹脂は,300℃から急激に熱分解することが分かった.このため,次二つの方策,i)結合剤樹脂にワックスを混練することで,熱分解挙動をブロードにする,ii)結合剤樹脂量を低減することで,熱脱脂量を低減する,を試みた. 2.結合剤樹脂にワックスを混入して高速遠心成形したところ,ロウの大部分は分離除去されてしまい,大量にワックスを混入させることは出来なかった.この樹脂の熱分解特性はややブロードになるものの,熱脱脂以前に中子を溶解除去する工程における樹脂の安定性(耐膨潤性)に欠け,結局使える技術とはならなかった. 3.結合剤樹脂の配合比率を,前年度より少なくすることを試みた結果,粒径5μmの金属粉誠意形態の場合,樹脂量が分散媒に対して50mass%の泥漿まで成形体の強度が確保される事が分かった.この成形体は中子の溶解除去にも耐えた.これにより,熱脱脂の時間が短縮され,直径の小さい試験片では良好な熱脱脂および焼結特性が得られた.しかし,製品形状をねらった試料では,熱脱脂後にクラックが残留した. 4.以上の条件で作成した焼結体の密度は,結合剤樹脂無添加のものに比肩するレベルまで改善した. 5.製品形状を模した成形体は肉厚がありすぎるために熱脱脂時にクラックが発生する.そこで成形体に(最終形状品に近い)穴明け作業を行ったところ,樹脂添加により成形体強度が向上していたために,良好な切削加工が出来た.すなわち,今回開発した泥漿組成による成形体は,マシナブル成形体として取り扱えることが分かった.また,機械加工を施し,肉厚部分を極力減らした成形体は,クラックの抑制に効果があることが分かったが,完全にクラックの無い焼結製品を得るには至らなかった.
|