Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
本研究では,工作物のひずみ情報に着目して,工作物の変形を推定することを提案した.工作物把持における状態推定としては,境界条件をすべて変数とする逆問題としての定式化が考えられるが,把持面の節点をすべて未知数として状態を推定するためには多くのひずみ情報の計測が必要となり,実用性の観点から問題がある.また,推定解の一意性が保証されなくなる可能性があるため,安定な状態推定が困難になると考えられる.工作物把持による誤差は,把持具および工作物の位置決め誤差と把持面における工作物の形状誤差が大きな要因である.これらの誤差はある程度定型的なパターンに分類することが可能である.そこで,把持を行う接触領域に対するモデルとして典型的な把持状態の重ね合わせによる近似モデルを導入した.このモデルの導入により状態推定の自由度を計測情報の自由度程度まで減らすことができ,高速な状態推定が期待できる.すなわち,本研究で導入した,工作物把持状態の近似は,重ね合わせにおける重みを推定変数とすることにより,推定の探索範囲を限定し安定で高速な推定を実現しようという試みである. 提案する状態推定手法を評価するために,試作システムを構築し,推定実験を行った.システムはPC上に構築しており,ひずみの計測はひずみゲージを用いた.評価に当たっては,無負荷状態および2種類の把持状態での工作物形状を3次元座標測定器により計測し,各把持状態における変形量を導出した. 提案した工作物-把持具間の接触状態変動形態モデルをもちいて,バイス把持における低剛性部品の工作物把持における変位推定を行った.なお,工作物の材質はアルミニウム合金である.実験の結果,二つの把持の場合のいずれも良好な推定が行えており,本手法の有用性が示された.
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