Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
非線形光学結晶はレーザの波長変換素子に用いられる材料である.非線形光学結晶を波長変換素子として用いる場合,位相整合条件を満足する結晶方位にレーザが入射しなければならない.非線形光学結晶の位相整合条件に対する角度許容幅は狭く,波長変換素子を作製することが困難であることが問題となっている.そこで本研究では,非線形光学結晶を光学面に仕上げる方法として超精密切削を適用すると共に加工装置上に波長変換を行うレーザ光学系を搭載し,装置上に固定した非線形光学結晶には1/1000°単位で2自由度の角度変化を与え,装置上で最適な結晶方位を同定した上で光学面に仕上げる加工法を確立した.本年度の研究では,本装置を用いて非線形光学結晶であるチエニルカルコンTC-121を加工し光学面を得るための最適な加工方法について検討した.また,加工した素子の光学特性を詳細に調べた.光学特性の評価には分光光度計やレーザを用い,分光光度計では4×4mmの領域における透過率を評価し,レーザでは直径50μmの領域での透過率を測定した.本研究によって得られた成果をまとめると以下のようになる. 1.ノーズ半径5mmの単結晶ダイヤモンドエ具を用い,切削速度5m/s,送り3μm/rev〜10μm/revの範囲で純水を用いた湿式切削を行えば,1Onm Ry〜20nm Ryの表面粗さが得られる. 2.表面粗さの異なる試料について分光光度計を用いて透過率の測定を行った結果,波長1.064μmにおいて87%〜88%の透過率が得られた. 3.同様の試料を用いて波長1.064μmのレーザの透過率を測定したところ分光光度計で得られた透過率よりもわずかに小さく85%〜86%になった.これは,分光光度計で測定した面積よりも小さい範囲で評価した結果であることから,微少領域での表面形状が関係していると考えられる.
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