Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,軟骨組織内に生じる圧縮・せん断ひずみや応力分布に着目し,力学的負荷により生じる組織内物質輸送や,それに伴う軟骨細胞の代謝応答,産生された細胞外マトリックス成分の自己組織化等が,軟骨表層部へのトライボロジー機能構造の構築に大きな役割を果たすと仮定し,その詳細なメカニズムを探ることを目的とする. 本年度は,作成したCO_2インキュベータ内設置型二軸負荷装置を用い,スキャホールド内において三次元培養中の単離軟骨細胞に力学的負荷を与える負荷培養実験を行った.一連の実験では,培養後の再生軟骨モデルについて,1)産生されたプロテオグリカンおよびII型コラーゲン量の定量評価,2)プロテオグリカンおよびII型コラーゲンによる組織構造形成の形態的評価,3)接線弾性率および平衡弾性率の計測を行い,培養中に加えられた力学的負荷の影響を評価すると共に,トライボロジー機能構造構築との関連を考察した. 実験の結果,培養15日目において負荷群の再生軟骨モデルに含まれるプロテオグリカンおよびII型コラーゲン量は,負荷を与えなかったコントロール群と比較し有意に多くなっており,培養中に加えられた周期的負荷は軟骨細胞によるECMの産生を促進することが確認された,また負荷群の接線弾性率は培養15日目においてコントロール群と比較し優位に高くなっており,負荷培養によるECM産生の促進が力学機能発現に寄与することが明らかとなった.形態観察の結果,II型コラーゲンは細胞周辺に密な組織構造を形成するのに対し,潤滑機能を有すると思われるプロテオグリカンはスキャホールド内に広く拡散しており,潤滑機能を有する表面ゲル層形成の可能際が示唆された.これは平行して行った物質拡散実験において,分子量の小さい糖はアガロース内を容易に拡散するのに対し,プロコラーゲンと同等の大きさの物質は拡散速度が小さかったことからも裏付けられた.
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