Project/Area Number |
16760117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fluid engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊澤 精一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90333856)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | SPH法 / 密度均一化アルゴリズム / 熱拡散 / 自由表面 / 移動境界 / 圧力 |
Research Abstract |
本研究が採用している計算手法はSPH (Smoothed Particle Hydrodynamics)法である。SPH法は粒子法の一種であり、もともと天体物理学の分野を中心に圧縮性流体の運動を解析する方法として出発した。差分法などに代表される格子解法では計算が大変な境界の変形するような場への適用が原理的に容易なため、非圧縮性の流れ場への適用が進められている。本研究では、これまでに各タイムステップに粒子数密度を一様化させる独自のアルゴリズムを開発し非圧縮性の条件をクリアするとともに、流入・流出の境界条件や粘性の取り扱い、それに壁面の構成方法など基礎的な事柄に関しての検証を進めている。また、熱の移動を取り扱うアルゴリズムに加え、自由表面と移動境界を有する流れ場の計算も試み、水柱の崩壊や振動する容器内の水の挙動、そしてお湯に浸かった氷の融解といったシンプルな現象をテストケースとして取り上げ、実験結果との比較も行った。その結果、実験結果と定量的にもよい一致が得られた。これは、血管壁の収縮や血流に含まれる赤血球や白血球などの物質を模擬するために必要なモデルを開発するためのものである。また、これまではうまく計算することのできなかった熱拡散と塩分拡散が同時に起こる2重拡散を含む流れとなるソルトフィンガーについても計算を試み、界面に成長する指状のセルの成長過程を詳細に捉えることに成功している。一方、血管壁面にかかるせん断力などを計算するために、壁面に作用する圧力分布を算出するアルゴリズムについても検討した。密度補正中の粒子挙動から壁面粒子の仮想的な移動距離を求め圧力を見積もることを試みたが、動圧の評価が難しく合理的な結果を得るには至っていない。これは、壁面垂直方向の粒子の運動が密度補正アルゴリズムに敏感で、圧力が過大にあるいは過小に評価されてしまったためであると考えられる。この点については、今後の検討課題である。
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