Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
平成17年度は,前年度開発された計算手法を用いて,固体を含む流れ場の気液二相流問題の解析を行った. まず,壁面に接触する気泡の問題において,壁面との静的接触角および接触面積の変化について調べた.気泡は壁面の濡れ性によって接触する形状が異なり,静的接触角が小さくなるほど壁面に広がりやすく,気泡の厚みが小さくなることがわかった.また,静的接触角の計算結果は,Youngの理論に基づく値と良く対応する結果が得られた.さらに,気泡と壁面の接触面積の時間変化は,Laviら[Colloid Surface A 250 (2004) 409]の実験データと良く一致することが示された. 次に,傾斜した壁面を滑り落ちる液滴の問題において,液滴の挙動ならびに二種類の動的接触角(前進接触角および後退接触角)について調べた.いずれの濡れ性に対しても,各接触角の間の関係は,Sikaloら[Exp.Therm.Fluid Sci.29 (2005) 795]が行った実験と同様な傾向を示した.また,液滴は先端が尖った形状で落下し,静的接触角が大きくなるほど液滴は落下方向によく引き伸ばされる傾向が見られた.これらの結果から,本手法は動的な接触に対しても有用であると言える. 最後に,マイクロな隙間流路内における気泡流問題の一例として,三次元ダクト内に複数の物体を含む流れ場の気泡流解析を行い,上昇する気泡の挙動および速度ベクトルについて調べた.物体表面の濡れ性を変化させて計算を行ったところ,静的接触角の小さい(物体表面が親水性)ケースでは気泡は物体が密になっている間を通って上昇するのに対し,静的接触角の大きい(物体表面が疎水性)ケースでは物体が疎になっている空間的に広い部分を通って上昇する傾向が見られた. 以上のことから,本手法の妥当性ならびに複雑流路内の二相流問題への有効性が示された.
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