Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,液相における化学反応を伴う乱流拡散現象の解明を目的として,実験および数値計算を行った。 本年度は,化学反応を伴う乱流拡散の実験では,格子乱流中のマルチプルーム拡散場において,連続競争反応(A+B→R,R+B→S)を対象とした濃度測定を行った。ここで,Aは1ナフトール(無色),Bはジアゾベンゼンスルフォン酸(無色),Rはモノアゾ染料(赤色)およびSはジアゾ染料(赤紫色)である。本研究で用いた吸光スペクトル法では,染料のような吸光物質(物質RおよびS)の濃度しか測定することができない。しかし,化学反応に影響を与えない染料F(青色)を加えて,R,SおよびFの3成分の濃度を同時測定することにより,保存スカラー理論から,無色のため直接測定できないAとBの濃度を決定することが可能となる。このように,本研究では連続競争反応の全成分の濃度同時測定を試み,これまで困難だった全成分の濃度統計量の特徴を明らかにした。 さらに数値的研究では,本年度も引き続き,反応性乱流に対して有効な確率密度関数(PDF)法と,近年乱流の非定常モデルとして注目されているラージ・エディ・シミュレーション(LES)の結合を最終的な目標として,その基礎的な検討を行った。本年度は特に,LESによる2次元噴流の数値計算に注力し,渦粘性モデルとしてSmagorinskyモデルを適用することにより,2次元噴流の特徴的な大規模渦構造(パッフィングやフラッピング)の検証を行った。KL展開などを適用し,実験と比較することにより大スケールの構造モデルについて明らかにした。 今後,このような基礎的検討をもとに,LESとPDFのカップリングを試み,前述の実験結果との比較を行っていきたい。
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