超音波を付与したナノ粒子分散液体中の過冷却凝固を利用したナノメタル組織制御
Project/Area Number |
16760166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Toyama National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
義岡 秀晃 富山商船高等専門学校, 商船学科, 助教授 (80259845)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 凝固 / 組織制御 / 過冷却 / ナノ粒子 / 超音波 |
Research Abstract |
超音波を付与したナノ粒子分散液体中における過冷却を伴う凝固の基礎的メカニズムの解明と、それによるナノメタル組織制御の可能性を追究することを目的に、実験的・理論的研究を行い、以下の成果を得た。 (1)まず、組織配列パターンの多様化を図るため、アルミナ、シリカ微粒子の他、シリカ繊維を供試した実験と力学モデルに基づく粒子運動の解析を行った。定在波を受けた液中の粒子・繊維は、1次元音場中では層状に配列し、2次元音場中では格子状に配列した。配列に要する時間は投入音波の強度に強く依存しており、試料濃度が小さいほど媒質層と分散質層の境界が際立つシャープな分布となった。 (2)次いで、配列構造を凝固によって固定するための実験を行った。凝固の過程を過冷却凝固と平衡凝固とに分けて考えると、前者の過程では、凝固以前に配列構造が崩壊するため、目的とする微粒子配列構造の固定は実現しなかった。後者の過程では、平らな界面のもとで液中の配列構造が局所的に固相内に固定された。 (3)界面現象をミクロスコピックに考察した結果、界面前方の分散液は、音響放射圧により分散質が周期的に配列した領域と、配列が乱された遷移層からなることを見出した。遷移層のミクロ挙動はラメラ状複合組織の形成と密接に関係している。界面と微粒子の間には、電気二重層力、van del Waals力、粘性抵抗力が働いており、これらは粒子半径、表面電位、凝固速度に依存する。その結果、アルミナ粒子は粒子径が小さくなるほど斥力が優勢となり、凝固界面から掃き出される条件となる。このため、凝固界面に取り込まれなかった比較的小さな粒子が、凝固に伴って発生した気泡と共に界面近傍に堆積して遷移層を形成し、このことが微粒子配列構造のその場的な固定を阻害していると考えられる。 結論としては、本手法を材料製造技術に応用できる可能性が概ね明らかとなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)