Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本研究では,水中に気泡を発生することでリハビリ時に人体に過剰に加わる流体力を軽減させることを目的としている.これまでに,気泡発生システムを試作し,人体に想定したロボットアームを水中で実際に動作させることで,その関節トルクの定量的な計測や解析を行ってきた. 試作した気泡発生システムでは,気泡の発生量の増加によって,流体密度が90%にまで低下することがわかった.また,気泡発生時の上昇流は0.3[m/s]から0.5[m/s]に達するため,浮上効果を生み出すことを明らかにした.これらの結果から,関節トルクが気泡発生時に軽減されることが予想できる. ロボットアームを用いたトルク解析では,ロボットの姿勢を保持するための静的なトルクと運動時の動的なトルクを計測した.静的なトルクでは,気泡量の増加につれて,浮力効果が増す結果となった.また,動的なトルクでは,アームの振り上げ運動に対して,流体から生じるトルクを約50パーセントに抑えることが可能であった.これらの結果から,気泡発生によって運動時の人間に対しても関節トルクの軽減が期待できる. さらに,気泡を含む流体中での関節トルクの推定法も提案した.提案手法では,流体や気泡に関する物理パラメータの推定をあらかじめ必要としないので,推定に伴う作業が非常に容易となる.検証実験では,この提案手法によって推定されたトルクと実際に実験から得たトルクとがよく一致することがわかった.この結果から,提案手法が,リハビリ中の患者の運動計画や,関節間力が過剰になっていないかなどの評価に利用できることが期待される.また,このトルク推定法を,リハビリにおける最適な気泡発生量の決定に利用することも将来的には計画している. 以上の結果から,現状では,人体模型や被験者を対象とした実験的検証が必要な段階まできている.
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