Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
コロナ放電により生成された気中イオンで被測定物を強制的に帯電させ、その表面電位を測定することにより、非接触で表面抵抗を測定する手法について実験的に検討した。針対円筒電極系でコロナ放電を起こし、気流で試料表面にイオンを供給する方法(吹き付け法)と、穴あき接地電極に高電圧針電極を挿入して試料表面に近づけることでイオンを供給する方法(針電極挿入法)を用いて、イオンによる試料表面の電位を測定した。吹き付け法は、試料表面にイオンを供給したあとの漏洩拡散による表面電位の時間変化から表面抵抗に換算しようと試みたものであり、針電極挿入法は、イオンを試料表面に照射している状態で定常的な表面電位の値から表面抵抗に換算するものである。吹き付け法では、材料表面を数百ボルトに高めることができたが、1)試料の表面抵抗が変化することによって、イオンの供給量自体が変化すること、2)試料の表面抵抗を大きく変化させても、表面電位の時間変化に大きな差異は認められなかったことから、表面抵抗計としては機能しないことが判明した。一方、針電極挿入型では、表面電位の大きさと表面抵抗との間に相関関係がみられ、表面抵抗計として機能することが判明した。針電極への印加電圧が2kVの場合、針電極直下の試料の表面では1.5kVとなり、針電極から遠ざかるにつれて表面電位が減衰する。表面電位の測定位置を適当な位置に配置することにより、10^8〜10^<16>Ω□の表面抵抗において、1.5kV〜0.3kVの範囲で表面電位が変化した。表面抵抗が小さいほど、表面電位が大きい。この方法は、比較的簡単に試料と接触させずに表面抵抗を測定できるので、今後、精度の向上を図れば、応用範囲は極めて広い。
All 2005
All Journal Article (1 results)
proc.IEEE Industrial Applications Society Conference Vol.2
Pages: 1423-1428