Project/Area Number |
16760243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鵜殿 治彦 茨城大学, 工学部, 助教授 (10282279)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | β-FeSi2 / 半導体鉄シリサイド / 単結晶 / MBE / ホモエピタキシー / 赤外センサ / 熱電能 / キャリア濃度制御 / 溶液成長 / 光学特性 / 吸収特性 |
Research Abstract |
昨年度の研究でβ-FeSi_2単結晶のキャリア濃度制御および結晶育成の大型化条件が得られたこと、およびMBE装置整備とβ-FeSi_2膜成長の基礎実験条件が整ったことから、当初の計画に沿ってβ-FeSi_2基板上へのホモエピタキシー実験を主として行った。β-FeSi_2基板表面クリーニング方法、成長条件などを実験によって詰めていった結果、β-FeSi_2単結晶基板上へのβ-FeSi_2薄膜のホモエピタキシーに世界で初めて成功した。この膜を使った受光感度特性の評価は現在進行中であるが、吸収係数が非常に高いため100nm程度の薄膜でも十分に近赤外光を検出できている。また、この他β-FeSi_2単結晶の熱電特性を室温から低温(10K)の間で評価した結果、溶液法で育成したβ-FeSi_2単結晶は、室温以下で非常に高い熱電能と熱電性能指数を示すことが明らかになり、サーモパイル型の赤外検出器としてより長波長でも高感度なセンサとして利用できる可能性を示した。これら研究成果の詳細は下記の通りである。 1.Ga溶媒を用いて再現性よく大型の単結晶を育成することが可能になった。この単結晶からβ-FeSi_2(100),(110)基板を切り出し、研磨によって平坦な表面を得る条件を見いだした。更に、以前に見いだしていたHF:HNO_3:H_2Oエッチング液を用いて平坦でクリーンな基板表面を得る条件を見いだした。 2.1.で得られたβ-FeSi_2基板上にMBE成長装置を用いてβ-FeSi_2膜のホモエピタキシーに成功した。この膜はSi基板上のヘテロエピタキシャル膜と比較して、格子不整合がないため平坦な界面と膜の均質性を有することが分かった。 3.室温から10Kの範囲での熱電能を評価できるシステムを構築し、本研究で得た様々な特性のβ-FeSi_2バルク単結晶の熱電能を評価した。その結果、溶液法で育成した結晶は高い熱電能と電気伝導度を併せ持っており、優れた熱電性能指数を示すことを明らかにした。
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