Project/Area Number |
16760289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Communication/Network engineering
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 隆太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10334517)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 量子秘密鍵共有 / BB84プロトコル / 誤り訂正符号 / 量子鍵共有 / 誤り訂正 / 秘密増幅 |
Research Abstract |
量子鍵共有プロトコルにおいて送信された物理系(光子の偏光など)を受信者が測定した後、(1)盗聴と通信路の雑音による誤りを訂正し、(2)秘密増幅と呼ばれる手続きにより盗聴者に一部情報が漏れたビット列からより短いが盗聴者に情報が漏れていないビット列を抽出し、それを秘密鍵として共有する。秘密増幅において、(1)の誤り訂正で用いられた線形符号のパリティ検査行列を部分行列として含む行列を誤り訂正後のビット列に乗じて得られるビット列を秘密増幅の結果とする。盗聴者への情報の漏れが非常に少ないことを保証するためには、秘密増幅で用いられる行列を生成行列とする線形符号が、盗聴と通信路雑音による位相エラーをほぼ確率1で訂正できることが必要である。任意に与えられた(1)で用いる誤り訂正符号に対して上記の2条件を満たす行列の構成法は知られていなかった。本研究では、(1)で用いられる任意に固定された線形符号のパリティ検査行列を含むすべての生成行列で定義される線形符号の復号誤り確率の平均を計算した。その結果、位相誤り確率をpとしたときに、秘密増幅で用いる生成行列で定義される符号のレートが1-h(p)以下ならば復号誤り確率の平均が符号長を大きくしたときに0に収束することを明らかにした。この結果により量子鍵共有プロトコルで用いる誤り訂正符号として、秘密増幅を考慮にいれずに、復号器の装置化の容易さや誤り訂正能力などだけを考慮して選択すればよいことがわかった。従来は、誤り訂正符号は、秘密増幅の実行が可能であるものを選ぶ必要があったので、本研究は秘密鍵共有プロトコルの実現を容易にする重要な研究である。
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