Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
本研究では,高速伝送での必要帯域を削減するためにMIMO (Multi-Input Multi-Output)チャネル伝送と呼ばれる技術の利用を検討した。MIMOは複数送受信機を必要とするため負担が大きいが,アドホックネットワークによる協力端末グループを利用して,1送受信機による実現を目指した。本研究の特徴は,そのままでは著しく送信電力が増えてしまう高速大容量移動通信について,アドホックネットワークとMIMOチャネル伝送を効果的に結合する点にある。 アドホックネットワークでは多数の端末による中継が行われる。むしろ不要な中継を抑えることが重要な課題である。本研究では,送信端末が近傍端末とアドホックネットワークを構成して協力端末を得て,それら端末群から同時に同一周波数でMIMO空間多重伝送を行うことを提案し研究を行った。これによって周波数利用効率を高める必要のある基地局までの比較的長い通信の周波数利用効率が改善され,結果的に帯域を求めて高い周波数へ移動する必要性が減少する。同時に,複数端末からの分散送信となるため,1端末あたりで見れば送信電力の問題も緩和される。制御を適切に行えば,建物の影などで特に受信レベルが低くなる場所から,良好な伝搬環境に位置する端末に送信を依頼することができ,システム全体としてはさらに送信電力問題が改善できる。 1.16年度に明らかにしたシステムの効率改善効果を具体的にするために,アドホックネットワークの構成技術について研究を行い,協力中継の有効性を明らかにした。 2.協力中継を行う場合でも,その中継局の配置や数によって伝送特性が異なることを指摘し,改善手法を提案した。 3.アドホックネットワーク側での伝送特性を確保するために端末間の同期アルゴリズムについて研究を行い,良好な同期特性が得られるアルゴリズムを提案した。 4.更に,これらアドホックネットワークのフィールド実験準備を進めた
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