Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
1.レイランチング法を基とした高速室内伝搬解析手法の改良 光線追跡法(レイランチング法)を基とした室内伝搬解析手法のさらなる高速化,高効率化を実現した.昨年度に開発した解析手法において,電磁波強度計算後の可視化の際における2つの問題:1)遠方でのピクセル抜け,2)ダブルカウントの2つの問題をより効率的に解決するために,伝搬方向の微小光路長をアダプティブに変化させるアルゴリズムを適用した.その結果,これまでのレイランチング法と比較して1/8程度まで(FDTD法と比べて1/80程度まで)計算時間の短縮が可能となった. 2.室内壁の内部多重散乱効果による補正 1.で開発した高速室内伝搬手法の応用例として,室内モデルに対してMIMO解析を行った.その結果,送受信点が異なる部屋にある場合,すなわち壁を透過する波が伝搬チャネル行列に含まれる場合,壁からの反射波のみならず,透過波の寄与もMIMO容量にかなり影響を与えることがわかった.特に壁の損失がほとんどない場合,壁内部の多重反射波の有無によってもMIMO容量が変化することを確認した.そこで次に,1.のレイランチング法を基とした解析手法に,Collective Ray Approachにより求めた補正項を含めるとにより,壁内部の多重反射波の寄与も近似的に解析できるように改良した. 3.損失をもつ室内壁を透過する場合の適切なレイランチング・アルゴリズムの提案 2.とは逆に,壁に損失がある場合,壁内部への屈折角は理論上複素数となる.しかしながら,レイランチング法では,この屈折角を実数の屈折角で計算しなければならず,損失の大きな場合に誤差原因となっていた.そこで,本研究では,壁内部で複素屈折角を用いた場合と同等の精度を保障する実数の屈折角を導出し,レイランチング・アルゴリズムに組込むことにより,レイランチング伝搬解析手法の精度向上を実現した.
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