Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究ではMIMO-OFDMシステムにおける受信信号の周波数同期,および位相追跡制御システムの構築を目標としている.平成17年度は,MIMO-OFDMシステムにおける位相雑音を考慮した位相追跡に関する検討を行った。昨年度は,通常のOFDMシステムにおけるフィードバック制御を用いた位相追跡制御に関する検討を行ったが,本年度はその原理をMIMOシステムに拡張するものである. OFDMでは,FFT前の周波数同期で残留した周波数オフセットをさらに補正するために,パイロットサブキャリアを用いて位相追跡制御を行うが,パイロットサブキャリアにおいて検出される信号の位相は,残留オフセットに起因する隣接サブキャリアの信号との合成位相に位相雑音による変動が加わったものとなる.したがって,検出された位相から周波数オフセット量を求めて,FFT前の周波数同期回路にフィードバックする.フィードバック後に再び検出される位相変動量は,ICIによる隣接サブキャリアの影響が軽減されているはずである.これを繰り返すことによって,残留オフセットの成分と位相雑音の成分を分離して制御しようとするものである.しかし,MIMOシステムでは各アンテナに複数の信号が多重された形で受信されるため,信号の分離を行わなければならない.信号の分離の精度は,通常,パケットの先頭で推定された通信路情報に依存するため,オフセットが補正されていない時点での通信路情報を用いることとなり,このままでは精度は向上しない.したがって,本研究では,さらにオフセット補正された信号から再度,通信路情報を推定し,位相制御を行う方式を検討した.本研究で提案した位相追跡制御を用いたシステムでは,パケット誤り率において5dB以上の改善が得られることを明らかにした。研究成果は現在,論文誌に投稿中である.
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