Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,複雑系の研究分野において研究されてきたカオス的挙動を示す複雑系を結合した際に生じるサブシステム間の同期現象を応用した複雑系の状態予測(anticipating synchronization)を複雑系の予測器設計問題として捉え,非線形むだ時間システム,とりわけ,むだ時間を含む複雑系に対する新たな制御理論の創出を目的としている. 本年度においては,16年度の結果を発展させ,とりわけ次の事柄について成果を得ている. 1.同期機構のロバスト性に関する考察 本年度は,各サブシステムのパラメーターが公称モデルと異なる場合,サブシステム間のモデル化誤差が生じる場合のそれぞれについて,安定性の検証を行うため,Lyapunov-Krasovskiiの安定性定理に基づき,漸近安定あるいは実用安定であるための十分条件を導出した.その結果,16年度に得た成果よりも緩和された条件の導出が行えた. 2.同期と予測に関する実験的検証 本年度においては,理論的解析と平行して,電気回路を用いた検証実験を行った.むだ時間要素をDSP,あるいはBBD素子を用いて近似的に実現し,Anticipating synchronizationに基づく状態予測が実システムで構成可能であることを確認している.実験結果については,更なる検証が必要であるが,一定の成果を得ている. 3.同期予測機構を併用した制御系設計理論 Anticipating synchronizationに基づく状態予測を用いた制御系設計手法として,同期に基づく状態予測器を併用した制御系設計法を提案した.この手法は,非線形システムのオブザーバに基づく制御系設計に対応し,拡張分離原理が成立することを示した.
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