Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
防災関連機関が迅速な初動をとるためには,災害の被害を早期に把握することが不可欠であるが,現在実用化されているリアルタイム地震防災システムの被害推定の精度は決して高いとはいえない.しかも推定精度を高めるには解決しなくてはならない問題が多く,その中の幾つかは現時点では解決策が明らかではない. 本研究では,上記のような問題点の解決を図るために,時刻単位の電力供給量を利用した災害直後からの建物被害把握および地域活動の定量化手法を提案し,いくつかの地震災害に適用し,手法の有効性,普遍性,妥当性を検証するものである.以下,その結果を示す. 1.近年の地震災害における電力供給量の変動の特徴と本手法の有効性の検討 1999鳥取県西部地震,2001芸予地震,2003三陸南地震,に加えて,2004新潟県中越地震,2005福岡県西方沖地震を対象に,地震発生前後の供給量の変動について分析を行った。その結果,震度7を記録するなど甚大な被害が発生した新潟県中越地震では,被害の大きい配変ほど需要が落ち込み,なかなか回復しないことが示された.一方,被害が局所的かつ軽微であった三陸南地震や福岡県西方沖地震については,電力需要にはほとんど影響を与えていないことが示され,本手法の有効性が示された。次に,兵庫県南部地震,鳥取県西部地震,新潟県中越地震の3つの被害地震をとりあげ,配電用変電所内の建物被害率別に,ピーク需要の回復傾向の違いについて検討を行い,そのモデル化を行った.これにより,被害程度に応じた災害時電力需要の事前検討が可能になった. 2.停電エリアの補間手法の構築 地震後に観測される電力供給データから被害関数を構築し,従来停電のために評価ができない地域についても,被害の評価(補間)が可能にした.兵庫県南部地震を事例として検討し,従来評価が困難だった供給支障エリアの被害評価が可能になった.
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