Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成17年度においては、昨年度同様に、シャジクモ、フサモ、イバラモについて、オーストラリアのマイオール湖で定期的な観測および分析を行って、バイオマスの変化、および種ごとの競争に関する生態学的知見を得た。まず、流れの速い場所では、有機土が堆積しにくい。そのため、根が弱く、体の壊れやすいイバラモは生育できない。しかし、一方では、十分に根を張る場所があるためにフサモは生育可能である。フサモの光環境は極めて悪化させ、シャジクモ類は生え難くバイオマスは減少する。一方、流れのない穏やかな場所では、シャジクモによって有機土が生産され堆積する。そのため、フサモは生え難い。イバラモにとっては極めて生育しやすい環境ではあるが、季節性の高いイバラモは異常に繁茂する5月前後を除けばバイオマスの量が少なく、シャジクモの生長を押さえるほどにはならない。そのため、イバラモが生える場所でも通常はシャジクモが卓越する。ところが、5月前後には、イバラモが水面付近にまで達する程に生長する。そのため、光環境が悪化、イバラモ群落の下ではシャジクモの量は減少する。最後に、シャジクモによって形成される有機土層は、極めて嫌気性が強く、また、柔らかいことから、他の沈水植物は浸入し難い。ヨーロッパ等のいくつかの湖において、シャジクモ群落の発達した湖で植物の多様性が極めて低くなることがいわれている。この原因はシャジクモの生産する有機土層にあると考えられる。
All 2005 2004
All Journal Article (4 results)
Transactions of the American Fisheries Society 134
Pages: 537-547
Environmental & Experimental Botany 52
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J.Freshwater Ecology 19・3
New Zealand Journal of Marine & Freshwater Research 38
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