荒天イベントに着目した後浜変形長期予測モデルの開発
Project/Area Number |
16760417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
水工水理学
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Research Institution | Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
有働 恵子 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部・漂砂研究室, 研究官 (80371780)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 飛砂モデル / 漂砂モデル / 海岸植生 / 海水位上昇 / 汀線変化 / 限界摩擦速度 / 飛砂 / TFEM / 底質粒径 / 吹送距離 / 植生 |
Research Abstract |
本研究は,荒天イベントに伴う地形変化に着目し,気象シナリオに対する20年程度の長期的な後浜変形を高精度で予測する後浜変形長期予測モデルの開発を試みた.茨城県鹿島灘に面する波崎海岸における後浜地形および波浪の約10年間の長期データを解析することにより,荒天イベントに伴う年に数回の波の遡上が,通年作用する風と比較して後浜長期変形に多大な影響を及ぼすことが明らかとなった.波崎海岸では長期的に後浜域が海側へ拡大する傾向にあり,長周期波に起因する漂砂がこの不可逆的な堆砂現象の支配的要因となっていた.以上の結果を考慮して長周期波の波高を変数とし,堆砂領域における漂砂モデルを構築したところ,堆砂現象を概ね良好に再現していた.風により発生する飛砂については,常時観測システムにより得られたデータを解析することにより,平均風速が大きくなるにつれて限界摩擦速度は小さくなることを明らかにした.飛砂の限界摩擦速度の変化特性および海岸植生の飛砂抑制効果を考慮した飛砂モデルを構築した.本研究では,当初目的としていた後浜変形長期予測モデルの開発,すなわち,漂砂および飛砂モデルの統合とそのモデルの検証には至らなかったものの,データ解析の過程で学術的意義の高い様々な知見を蓄積し,長期予測モデルの構築に必要とされる漂砂および飛砂モデルをそれぞれ構築した.これまで後浜に関する研究では,その変形要因を飛砂に限定して研究が行われる場合が多かったが,本研究で明らかにした後浜変形への漂砂の影響は,地形学的にも海岸工学的にも極めて有益な知見を提供する.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)