Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本年度は,以下の2点の研究成果を挙げた. (1)伝統的なBeckmann型の統合需要型利用者均衡モデルに対して,トリップ・チェイン型のモデルを新たに提案し,さらに,非加算型経路コストを考慮したモデルへの拡張を行った.これらのモデルは,等価な最適化問題が構成可能であり,実都市圏への適用性があること,既存のモデルでは分析が困難であったエリア課金型のロードプライシングの評価に有用であることを示した.さらに,このモデルを実際の都市圏へ適用し,コードン課金とエリア課金の2つの課金政策を比較した結果,エリア課金のほうがコードン課金よりも,1)最適課金額は高いこと,2)課金額の設定に対して社会的余剰の変化が頑強であること等を実証的に明らかにした. (2)平成10年度と昭和63年度の2時点のPT(パーソントリップ)調査を用いて,東京都市圏を対象として構築された4レベル統合需要Nested Logit型利用者均衡モデルの予測精度の検証を行った.まず,簡便な手法として,平成10年度のデータを用いて構築済みのモデルを昭和63年度に適用するという逆予測の手法を適用した.モデルから出力される手段分担率,トリップ長分布,リンク交通量などの指標で検証した結果,手段・目的地等の変更による誘発交通を考慮できる統合需要モデルの精度が,従来の固定需要モデルよりも高くなることを明らかにした.さらに,昭和63年のデータで,モデルのパラメータを再推定し,平成10年を予測するという事後評価による分析も行った.この分析でも統合需要モデルが従来モデルよりも有用であることが明らかにされた.
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