Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
PAHs(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons;多環芳香族炭化水素類)は、晴天時に地表面に堆積し,雨天時に水系に流出することによって水系汚染を引き起こす重要な面源汚染物質の一つである.PAHsにはbenzo(a)pyreneをはじめとする発癌性を持つものや,それ自体は発癌性のないものでも環境中での反応によって発癌性をもつ誘導体を生じるものもあり,その対策が重要視されつつある.PAHsの環境動態は,その主要な経路としては自動車排気など化石燃料の燃焼によって粉塵に付着する形で大気へ排出され乾性,湿性沈着によって地表面へ堆積し,雨天時に水系へ流出すると考えられている.本研究ではPAHsの起源(ディーゼル,ガソリン,タイヤ,アスファルト),大気中,降下粉塵(乾性降下物,湿性降下物)中,底質中の負荷量,含有量およびそのパターンを現地観測および文献調査によって明らかにした.またそれらの結果に基づきCMB(Chemical Mass Balance)法を用いてPAHsの起源および大気・水環境中での動態を評価した.大気中のPAHsはSPM(suspected Particulate Mater)の粒径によって起源が異なり,小径粒子に付着しているPAHsの主な起源はガソリン車由来であり,大径粒子に付着しているPAHsの主な起源はディーゼル車由来であることが分かった.また,底質に付着しているPAHsの主な起源は湿性降下物によるものだと示唆された.
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