Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Research Abstract |
本研究は,地下熱利用の導入可能性に関して,計画系における環境設備からの知見のみでなく,構造系のアプローチが実施したものである.地質にもよるが,杭基礎の規模は建築規模と概ね連動するとすれば,エネルギー需要量と杭基礎による供給可能熱量は非常に良好な関係にあることが推定される.これらのことを明らかにするため,計画・構造系の両面から横断的に大規模な調査を行ったものである.データベース作成にあたっては,主要な設計事務所,総合建設業,杭業者に調査協力を得た.本研究を通じて得られた知見は以下の通りである. (1)実規模建築における空調用エネルギーパイルシステムの運転実績に基づく評価 札幌の事務所における摩擦杭を用いたエネルギーパイルシステムの実測・評価における研究成果を踏まえ,用途を住宅等にも拡げ,実証実験を実施した.10m程度の摩擦杭を対象とした.長期的な運転実績を測定し,省エネルギー性,環境保全性,経済性に関する評価を行い,本システムが長期的に導入効果が高いことを示した. (2)エネルギーパイルシステムの最適設計手法の構築 地質,地下水流速などを用いて,エネルギーパイルシステムシミュレータを開発した.さらに,調査結果に基づく杭基礎の熱利用を図った場合に予測される供給可能エネルギー量と建築のエネルギー需要の比較を実施した. (3)国土数値情報による都市における導入ポテンシャルの広域的な総合評価 北海道内における主要都市における地質から土壌の総合的な熱伝導率,熱容量などに関するデータベースを構築し,国土数値情報化を行った.また,地下水が存在する帯水層の厚さ,深度,地下水流速などの情報についても整備し,建築規模,地質と杭基礎の関係を現状の実績に基づき推計し,導入可能性が高いことを明らかにした.
|