Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究は,アクティブ騒音制御(Active Noise Control ; ANC)技術を利用した建物開口部における騒音の遮断方法について研究するものである。本年度は,キャップ型フードなどの高音域の遮音に優れたパッシブ手法と組み合わせて使用することを前提に,住宅の外周部において遮音性能のボトルネックとなる可能性のある換気口に対してANC技術を適用することによる騒音制御の可能性を定量的に把握することを目的としている。 建物外壁を想定した実寸の模型実験から,2次音源を屋外側に設置し,制御点を換気口の屋外側外壁面とすることで,単純な音場におけるANCの制御点での効果は,63Hz:10.6dB,125Hz:9.4dB,250Hz:25.9dB,500Hz:29.4dBとなり,孔を空けたことによる外壁の遮音性能の低下分を完全に補うことはできないが,それに近い効果を得ることができることが分かった。制御点を換気口の屋外側とすることで換気口に入射する音を適切に減音でき,室内空間においてもANCが逆効果に働くことはないことが分かった。また,屋外側でのANCの悪影響は局所的にしか発生しないことを確認した。そして,戸建住宅において,実物の換気口に対するANCの効果を確認するための実験を行ったところ,壁や窓に比べて特に遮音性能が劣っている500Hz帯で約13dBの効果が見られ,換気口の騒音制御技術としてANCが有効であることが分かった。 屋外側に2次音源と制御点を設置することで,換気口に大きな遮音効果を付加することが可能であり,ANC技術の適用により換気能力を確保したまま騒音のみ遮断する理想的な開口部(換気口)が実現できることを明らかにした。
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