Project/Area Number |
16760493
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Town planning/Architectural planning
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
後藤 隆太郎 佐賀大学, 理工学部, 助手 (00284612)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 低平地 / 居住地形態 / 空間単位 / 水路 / 集合の仕組み / 生活空間計画 / 有明海沿岸 |
Research Abstract |
本研究では、有明海沿岸低平地における市街地周辺部のクリーク地域を対象とし、居住者が自然的空間をいかに読み込み、いかなる工夫をもって居住空間を実現したのか、また、現状における課題はなにか、土地の条件と居住者の条件との相互関係から、今後の居住環境計画に関する知見を得ることを目的とする。今年度は主として、都市周辺部のクリーク集落の空間システムについて、以下などが明らかとなった。 (1)有明海沿岸低平地を理解するために水路・道路パターンを抽出整理することで、それぞれの土地の条件をあらわす一定の土地のまとまりをみとめることができ、また、そこでの居住地(集落)の形態や立地傾向をみると、それぞれの土地の条件やそれに対する人々の働きかけの結果として、居住地があるものといえる。今回、特に注目した居住地(クリーク集落)では、ホリ(クリーク)を密に巡らすことで低湿地における居住を基底的に支えているといえよう。 (2)このようなクリーク集落を構成する個々の敷地は、そのウラにおいてホリと生活が結びつき、道に面するカドといった空地を中心とすることで、一定の敷地構成をつくりだしている。そして敷地のカドとカドさらにはホリに囲まれた島状の土地と土地を連結し集合させることで居住地の空間がつくられている。低平地において不可欠な水路(ホリ)に基底された、一つの居住空間のありようということができる。 (3)このようなクリークと生活の関係やクリーク網の水秩序は、近年のほ場整備事業などにより大きく変貌したのだが、現在でもクリークはこの地域の風土をあらわす空間基盤であり、集住空間の骨格と位置づけることができる。今後、水質改善はもちろんのこと、住まいの近傍にある空閑性、動植物が生息する水環境に着目するなど、低平地にふさわしい現代の生活空間を再構築していくことが重要となろう。 こうした研究成果をもとに、今後学位論文として取りまとめを行っていきたい。
|