遊園地・宝塚新温泉における設備更新の過程と形成された娯楽空間の変遷に関する研究
Project/Area Number |
16760522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural history/design
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
安野 彰 文化女子大学, 造形学部, 講師 (30339494)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 遊園地 / 宝塚 / 娯楽施設 |
Research Abstract |
平成18年度は、宝塚新温泉を模倣したと伝えられている地方の遊園地の調査を中心に行った。事前に関連資料を収集するとともに、現地へ赴き、絵葉書やリーフレット類を含む、現地に残る資料の渉猟、地域の史家や当時を記憶する関係者(利用者、経営者の家族など)からの聞き取りを行うなどした。とくに、小林一三を介するなど直接的に宝塚新温泉の影響を受けている別府の旧ケーブル遊園(現ワンダー・ラクテンチ)と鶴見園(閉園)、また、大規模に開発された花巻温泉遊園地(現花巻温泉株式会社)に関しては、開設当初からの資料を含む多くの情報を得られ、各施設の設備や催し物の変遷、利用者の様子を知ることができた。そして、これら施設には、宝塚新温泉に類似する部分を備えつつも、後発でありながら、旧来の遊園地に見られる遊興的な部分や物見遊山の場としての側面を強く維持していくという両義性を確認できた。こうしたことから、翻って、宝塚新温泉が創造し、次第に洗練させた空間の先鋭性を史的に位置づけられた。なお、花巻温泉遊園地については、その地方の文化的な拠点として、当時の都市近郊に見出された様々な空間(郊外住宅、行楽地、迎賓の場、自然との共生の場・・)が、結果として同一の敷地内に重ねあわされていたことが分かり、都市文化史上、極めて重要な事例と捉えることができた。 また、本年度になってから新規に集めた資料とこれまでに集めたものを整理し、分析を行った。宝塚新温泉も開設当初は、同時代の他の遊園地と同様に遊興的な部分が少なくなく、徐々に健全性を強く意識して学園的な遊園地を目指したが、そうしたことをより正確に跡付けることができた。そして戦後の新温泉も、そうしたコンセプトを引き継ぎ、科学や学術に関わる活動やイベントを展開することを通して隆盛していた様子等を見ることができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)