Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究は近代期の朝鮮半島に於けるリゾート地開発の実態を建築史学の観点から明らかにするものである。平成18年度は、大韓民国、日本の国立国会図書館等にて資料の収集を行った。以下の点が知見ならびに課題として浮かび上がった。<リゾートのテーマ性に関するもの>1.山岳風景、温泉、海水浴(海浜景観)、スキー場を中心としたリゾート地開発の実態2.欧米人、日本人、朝鮮人のためのリゾート地開発の実態3.日本、東アジアのリゾート地開発から受ける影響、とりわけ、1930年代の日本の国際観光政策との関係4.朝鮮半島在住者のためのリゾート地開発と朝鮮半島旅行者のためのリゾート地開発<リゾートの施設、利便性に関するもの>5.リゾート地開発の計画と施設群の設計6.鉄道、船舶等、アクセスとの関連性<リゾート地開発の主体に関するもの>7.朝鮮総督府鉄道局、南滿洲鉄道株式会社による官系統のリゾート地開発と民間開発、そして相互の影響8.植民地統治下に於けるリゾートの運営と利用(日本人と朝鮮人)9.リゾート開発を進めた人物のネットワーク10.郊外住宅地開発者とリゾート開発を進めた人物のネットワーク今年度はこうした課題に関する一次史料の収集がほぼ終了した。研究期間は終了するが、今後も、こうしたリゾートのテーマ性、施設・利便性、開発主体といった観点のもと、集めた史料の整理と、収集を継続し、さらに考証を進めて近代期朝鮮半島に於けるリゾート地開発の全容解明を行い、積極的に論文等に公表していく計画である。
All 2005
All Journal Article (1 results)
日本観光研究学会第20回全国大会学術論文集 20巻
Pages: 85-88