微細複合組織鋼材の延性特性を支配する材料損傷挙動の解明
Project/Area Number |
16760570
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大畑 充 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20294027)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 複合組織鋼材 / 延性き裂 / 微視的強度的不均質 / マイクロボイド / ナノ / サブミクロンボイド / 応力多軸度 / ボイド発生 / ナノ・サブミクロンボイド |
Research Abstract |
複合組織鋼(ここではフェライト-パーライト二相組織を有する鋼材)を取り上げ,延性き裂発生までの損傷プロセスについて,異なる多軸応力場で引張り負荷を受ける試験を用いて観察を行った。延性き裂の発生は,不均質な微視二相組織形態の影響を受け,二相境界における軟質材側(フェライト相側)におけるマイクロボイド(約1μm程度)発生に支配されることを見いだした。この傾向は,歪負荷中の応力多軸度が異なる場合においても同様であった。このような観察結果から,不均質な二相組織形態に起因した応力/歪場の局在化挙動の再現,さらにはそれに伴う局所的なマイクロボイド発生までの材料損傷のモデル化を通じて,延性特性に影響を及ぼす材料損傷挙動が明確にされるものであることが明らかにされた。 以上のような損傷プロセスの実験・観察から,対象鋼材における二相組織のランダム分布特性を再現することの重要性が示され,Voronoi tessellation法を利用した三次元二相組織構造モデルの構築法を開発し,三次元弾塑性FEM解析に供した。一方,材料中のミクロボイド発生までの損傷モデルを仮想・提案し,二相組織構造モデルを用いたFEM解析に導入した。これは,不均質組織に起因して応力/歪が局在化した領域でマイクロボイドが発生するまでのナノ/サブミクロンサイズのボイドの発生や成長を損傷と捉え,その損傷度は塑性歪と応力多軸度により促進され,それに伴い材料強度(降伏強度)が低下するという損傷・強度連成モデルである。ここで,解析対象の全要素寸法を,実験で延性き裂発生直前の負荷レベルで生じ始めたマイクロボイドとほぼ同じ寸法である1μmとすることにより,損傷の進展からミクロボイドの発生,さらにはその後のミクロボイドの相互作用にも起因した延性き裂発生挙動のシミュレーションを行った。 異なる多軸応力状態下で歪(マクロ相当塑性歪)を付与したときの損傷状況を比較した。ボイドの形成挙動ないしはそれらが連結して形成される延性き裂のプロファイルが応力多軸度によって異なるという実験結果を再現でき,実験・観察から推察された延性特性を支配する材料損傷挙動の妥当性が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)