Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
セラミックス系材料の主成分元素であるMg・Al・Siの典型元素をターゲットとして,その局所を構造制御することによる触媒的機能性の制御を目指し,その手段として新規な軟X線領域XAFSによる局所構造解析を中心とした構造因子の解明を行いその応用法を構築することを目的とした。とくに触媒機能の解明として,第一に地球温暖化ガスとして問題となっているメタンを有効利用するためのMgO系材料による酸化カップリング触媒,第二に排ガス中のNOx分解触媒として遷移金属格子置換型新規ゼオライトを中心としたシリカアルミナ系材料,これら二つの系における触媒材料をそれぞれ対象とし,各触媒における活性成分の局所構造をXAFSを中心に検討する。これにより,対象原子周辺の局所構造と機能発現時の構造および電子状態の変化について明らかにし,それらの結果に基づく機能性因子の追跡とその制御のための知見を得た。XAFSの測定はいずれもKTP二結晶分光を用いた,分子科学研究所UVSOR, BL1Aにて全電子収量法にて得た。まず,MgO系材料による酸化カップリング触媒における構造解析からは,MgO岩塩型構造中に形成される表面近傍の格子酸素欠陥種はメタン酸化カップリング触媒活性点として寄与し,その形成のためにLiやNaなどのアルカリイオン修飾が有効であること,加えてそれらの安定化のために硫酸イオンの共存が有効であることが結論づけられた。この活性種を与える格子欠陥種はXANESによって観察され,その存在状態と触媒活性の間に密接な関係があることが示唆された。一方,NOx分解触媒のための格子置換型ゼオライトにおける活性種構造は,格子内に挿入したFeおよびGaイオンによって与えられるが,同時にゼオライト全体の骨格構造も変化し,とくにFeの格子置換後にはFe周辺の欠陥形成,およびSi四面体構造の変化に伴うゼオライト局所構造の変化が,活性種のみならず結晶構造全体の安定度を高めることが結論付けられた。
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