Project/Area Number |
16760588
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
赤松 謙祐 甲南大学, 理工学部, 講師 (60322202)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 銅回路パターン / ポリイミド樹脂 / エレクトロニクス実装 / 部位選択的表面改質 / 密着強度 |
Research Abstract |
本研究計画の最終年度である本年度は、前年度において得られた成果をもとに、樹脂と銅薄膜との密着性に関係するナノ粒子分散層の微細構造制御について検討した。前年度においては、微少液滴吐出装置を用いて樹脂基板上にアルカリ水溶液のパターンを描画することにより部位選択的に樹脂基板表面を改質することが可能であることが分かっており、本年度は主に密着力発現メカニズムと関連があると考えられる銅・樹脂間の界面構造について詳細な検討を行った。その結果、銅イオンの還元条件に依存して形成する銅薄膜の微細構造が薄膜状からグラニュラ層状に変化し、この界面の微細構造が銅薄膜の密着強度に大きく影響を及ぼすことが明らかとなった。これは、改質層内に吸着している金属イオンの還元速度が還元条件によって異なり、その結果として銅・樹脂層間の界面微細構造(接触面積)が異なることに起因している結果であると考えられる。銅・樹脂層間の密着強度は、界面構造がグラニュラ層状であった場合において高い値を示す傾向が認められており、この知見は金属ナノ粒子を利用したナノスケールインターロッキングに基づく界面密着構造制御に向けての新たな可能性を示している。 本研究計画で用いた樹脂表面の改質を行うという手法では、回路部以外の樹脂基板に余分な化学変化を伴うことなく必要最少量の金属イオンを導入・還元するだけで回路形成が行えることから、より実用的な技術として位置付けられ、今後微細構造を最適化することによって全湿式メタラリゼーションプロセスの実現が期待される。 以上の成果は国内外において研究発表を行い、ナノ粒子分散層の微細構造制御に関してまとめた論文をJ.Am.Chem.Soc.誌に公表した。
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