界面活性剤水溶液中の表面間相互作用力とその推算手法の開発
Project/Area Number |
16760606
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Properties in chemical engineering process/Transfer operation/Unit operation
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新戸 浩幸 京都大学, 工学研究科, 助手 (80324656)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 界面活性剤水溶液 / ミセル / 表面間相互作用力 / 原子間力顕微鏡 / 蛍光顕微鏡 / 複合装置 / 分子シミュレーション / 陰溶媒モデル |
Research Abstract |
界面活性剤水溶液の分子レベルの計算機シミュレーションにおいて、興味の主な対象は溶質としての界面活性剤分子であるが、計算量の大部分を占めるのは溶媒としての水である。本研究は、溶媒を陰に扱い、計算量を大幅に削減するとともに、溶媒の影響を含んだ溶質間相互作用である平均力ポテンシャル(PMF)を用いることで陰に扱われた溶媒の影響を組み込んだ、新たなシミュレーション手法(陰溶媒モデルと呼ぶ)を開発し、従来の手法では困難であった界面活性剤水溶液やコロイド粒子分散系の大規模シミュレーションを実現した。 前年度で開発された陰溶媒モデルでは、全ての相互作用を、溶質間の直接相互作用と溶媒が誘起する相互作用の和であるPMFにより表現している。しかし、界面活性剤分子が、疎水基間に働く疎水性相互作用によりミセルのような会合体を形成したとき、その内部では水分子はほとんど存在しないため、疎水基間には直接相互作用のみが働くはずである。そこで本年度は、疎水基間の相互作用を、その疎水基周りにおける他の疎水基の密度に応じて変化するように修正を加えた、より精度の高いシミュレーションモデル(修正陰溶媒モデル)の開発を行った。界面活性剤水溶液に先立ち、水中における油滴のシミュレーションから水/油界面における界面張力を算出し、実験値と比較することで、修正陰溶媒モデルの妥当性を確認した。さらに、修正陰溶媒モデルを用いてミセルのシミュレーションを行った結果、実験でみられるようなミセル内部の流動性を表現することに成功し、このミセルの内部構造が、水分子まで含んだ通常のMDシミュレーションの結果とも定量的に良好に一致することを確認した。 また、実在実験系との比較・検証が重要であるため、表面間相互作用力と表面間制限空間内分子挙動の同時計測を可能とする原子間力顕微鏡・光学顕微鏡の複合システムの試作を、前年度に引き続き行った。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)