Project/Area Number |
16760615
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Reaction engineering/Process system
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
畑中 信一 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (40334578)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 超音波分解 / 環境ホルモン / 無機化速度 / 反応機構 / 反応サイト / OHラジカル / 光触媒分解 / キャビテーション / ビスフェノールA / 溶存酵素 / 中間生成物 / 電気分解 |
Research Abstract |
超音波キャビティを利用した有害物質の分解について、本年度は次の研究項目について実施し、以下の知見を得た。 1.超音波による有害物質分解の最終生成物の同定 前年度に超音波分解の有効性を確認した環境ホルモンに対して、ガスクロマトグラフによる容器内の液面上方ガスの分析を行なった。その結果、ビスフェノールA(BPA)、ジクロロフェノール、フタル酸ジブチル等の実験したすべての物質で、基質の分解とともにCO_2の発生が確認された。CO_2は基質が分解して検出されなくなった後も発生を続け、すぐに完全無機化するトリハロメタン類とは異なることが明らかとなった。 2.分解反応機構と反応サイトとの対応関係の検討 超音波分解の溶存ガス依存性について、BPA、クロロフェノール類はアルゴンより酸素の方が速く分解するのに対し、ニトロベンゼンではその逆であった。前者は、分子構造内にOH基を含み、より親水性であるためと解釈できる。BPAの分解において、酸素下では特有の中間生成物(メチル-ベンゾフラン)が検出され、Fenton反応によるOHラジカル分解と同様であった。一方、アルゴン下でのみメタンガスが検出された。これらの結果より、アルゴン下ではキャビティ内の熱分解が、酸素下では液体内のOHラジカル分解が、それぞれ支配的であると示唆された。 3.超音波分解と電気分解、光分解および光触媒分解との重畳効果の検討 前年度の電気分解に続き、光触媒と超音波の重畳による環境ホルモンの分解を試みた。実験したすべての物質で、重畳により分解速度は増加し、基質の分解速度定数はそれぞれを加算した値となった。さらに、重畳によるCO_2の生成速度は、それぞれの速度定数の加算値を超え、無機ガス化速度に相乗効果が発現することが明らかとなった。また、光分解との比較により、光触媒分解における光分解の寄与が確認され、その有効性が基質に依存することが明らかになった。
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