Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
まず初めに、昨年度製作した高温高圧(最高圧力70MPa、最高温度300℃)に耐えられる超臨界二酸化炭素-イオン性液体反応容器(流通式に対応可能)の試運転をいった。試運転時に,排圧弁での減圧過程で超臨界流体→ガスへの気化熱を考慮しておらず,凍結し機能しない点を改良した。 一方、反応検討は計画に則り、超臨界二酸化炭素-イオン液体ハイブリッド反応場におけるアルコールと二酸化炭素からジアルキルカーボネートの合成方法を検討した。しかしアルコールのみでは,イオン液体の分解がすることが確認され,現条件ではアルコールの脱水酸基は難しく,脱水縮合反応によるエーテル生成が選択的に起こることが分かった。一方,ハロゲン化アルキル存在下,このハイブリッド反応場にアルカリを加えたところ,容易に脱ハロゲン化が起こることを見出した。そこで,ハロゲン化アルキルとアルコールを,アルカリ存在下,ハイブリッド反応場で検討を行った結果,プロピルアルコールとクロロプロパンを用い,圧力20NPa,温度180℃,時間5時間で,収率99%,選択率99%でジプロピルカーボネートを合成することに成功した。また20MPaにおける温度依存性を検討したところ,臨界密度(0.4676g/mL)近傍となる140℃以上(0.34758g/mL)で収率が90%以上となり,180℃(0.28113g/mL)でほぼ100%の収率を得た。反応温度180℃における圧力依存性は,20MPaで収率が最高値となった。また,ハロゲン種による反応性の検討を行ったところ,I>Br>Clの順であることも分かった。本研究での目標の一つである,アルコールと二酸化炭素を用いたジアルキルカーボネート合成方法の開発では,当初収率10%以上を目標としていたが,アルコールとハロゲン化アルキルを用いることで収率ほぼ100%,選択率ほぼ100%でのカーボネート合成に成功した。
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