高分子材料の表面に付与した酵素固定場としてのポリマーブラシの精密制御
Project/Area Number |
16760640
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biofunction/Bioprocess
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Research Institution | Saga University (2005) Waseda University (2004) |
Principal Investigator |
川喜田 英孝 佐賀大学, 理工学部, 助手 (30367114)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 原子移動ラジカル重合法 / ポリマーブラシ / タンパク質 / 酵素 / SPG / GMA / Bovine serum albumin / 酵素積層構造 |
Research Abstract |
タンパク質あるいは酵素は、生体の機能を発現するために不可欠である。酵素は生体触媒として生体内での化学反応を司る。この酵素反応を自由に取り扱うために、片端が材料表面に固定されもう片端が自由端である高分子、ポリマーブラシを用いる。このポリマーブラシは伸長・収縮が自由にできる"柔らかい"構造をとる。生体触媒である酵素と、ポリマーブラシを融合させて新しい機能的な材料を作成することが本研究の目的である。伸長したポリマーブラシに酵素は高密度で積層でき、かつ柔らかい構造であるため酵素の失活を抑制できる。 本申請では、原子移動ラジカル重合法を用いて材料表面への制御されたポリマーブラシの付与を行い、生体分子の固定場としての可能性を探った。活性種の材料表面への固定密度を変化させると、そこから成長するポリマーブラシの密度も変化できる。また活性種からの重合時間を変化させるとポリマーブラシの長さを変化できる。そのため、生体分子の構造を維持しながら分離場あるいは固定場として利用できる。 無機材料表面に制御されたポリマーブラシを付与するために、まず、重合開始剤を無機材料(中空SPGおよびシリコンウェハー)に固定した。モノマー(グリシジルメタクリレート:GMA)、錯体リガンド、および錯体形成用金属をメチルエチルケトンに均一に分散させて、そこに重合開始剤導入無機材料を浸漬させて、重合を開始した。重合温度は40℃に設定した。24時間後、重合を停止させ、溶媒で丁寧に洗浄した。さらに、導入したポリマーブラシにアニオン交換基を導入するために50(v/v)%ジエチルアミン溶液に1.5h浸漬させた。 作成したポリマーブラシ導入型中空SPGおよびシリコンウェハーにBovine Serum Albumin(BSA)を固定した。中空SPGではBSA溶液を内面から外面に透過した。するとBSAはポリマーブラジが伸長するために2層で吸着することがわかった。またシリコンウェハーにBSAを吸着させSEMで観察した結果、表面のラフネスが増加することがわかった。原子移動ラジカル重合法を用いて形成したポリマーブラシが生体分子の分離場として利用できる可能性があることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)