放射性廃棄物核種を包含するガラスナノボイドの構造および安定性の解明
Project/Area Number |
16760686
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nuclear engineering
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 耕治 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50344718)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 原子力エネルギー / 放射性廃棄物ガラス / ポジトロニウム / 陽電子消滅 / 構造空隙 / 2成分モデルガラス / 網目形成酸化物 / 網目修飾酸化物 |
Research Abstract |
本研究では、陽電子と電子の束縛状態であるポジトロニウムが、ガラス中の構造的なサブナノ空隙中で消滅し、そのサブナノ空隙のサイズに関する情報を与えてくれることに注目した。このことを利用して、放射性廃棄物ガラス固化体中に含まれる放射性核種からの放射線によって生ずる照射欠陥形成に伴う、核種含有サイトである構造サブナノ空隙の変化の解明やそれらが長期保管に与える影響について調べようとする。放射性廃棄物ガラス固化体を理解するには、その基本要素から構成される2成分系モデルガラスについての理解が必要不可欠であり、先ずこれらのガラスについて、サブナノ空隙の化学組成や照射による変化、照射欠陥の形成過程について調べた。 廃棄物ガラスの主成分であるSiO_2に網目形成酸化物であるB_2O_3や網目修飾酸化物Na_2Oを加えた2成分系モデルガラスについて組成比を変化させて試料を作製し、陽電子消滅法を用いてサブナノ空隙のサイズの化学組成依存性について系統的に調べた。その結果、大部分の放射性廃棄物核種が属する網目修飾酸化物の陽イオンは、サイズの大きなサブナノ空隙から選択的に入り込むことがわかった。また、この試料に、電子線(エネルギー3MeV、照射量1×10^<18>e/cm^2)やプロトン(エネルギー1MeV、照射量1×10^<16>H^+/cm^2)を照射し、照射欠陥形成に伴うサブナノボイドのサイズ変化を系統的に調べた。照射によるサブナノ空隙のサイズ変化は本研究の照射条件では起こらないことがわかった。電子スピン共鳴法を用いて、粒子線照射に伴うボンド切断や照射欠陥形成について系統的に調べた。SiO_2・B_2O_3系モデルガラスではB_2O_3の含有率が増えるほど、常磁性照射欠陥の回復温度は低くなること、Na_2Oを含有するSiO_2・Na_2O系モデルガラスではNa_2Oの含有率が増えるほど、常磁性照射欠陥の生成量が減少することがわかった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)