メダカ属魚類の多様性の地理的パターンと性淘汰に関する研究
Project/Area Number |
16770013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山平 寿智 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (20322589)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 性淘汰 / 緯度 / 性的二型 / 種分化 / クライン / 種多横性 / 共涌環境実験 / メダカ / 種多様性 / 共通環境実験 |
Research Abstract |
メダカ属(Oryzias)魚類は,日本を含むアジア・東南アジアに約20種生息している.前年度の研究により,(1)インドネシアなどの熱帯に生息する種は高緯度の同属種に比べて尻鰭の長さや体色の性的二型が大きいこと,ならびに(2)日本のメダカ0.latipes種内においても低緯度の集団ほど尻鰭長の性的二型が大きいことがわかった.こうした性的二型の緯度クラインにおける遺伝的基礎と水温環境の差に起因する可塑的変異成分を分離するため,緯度の異なる3野生集団(青森市馬屋尻,新潟市鍋潟,および敦賀市樫曲)から採集されたメダカO.latipesの稚魚(第二世代)を実験室内の様々な水温(20〜32℃の6段階)のもとで発生/成長させ,尻鰭の形態における性的二型の程度を比較した.その結果,どの水温のもとでも,低緯度集団に由来する雄ほど尻鰭が長くなり,尻鰭の性的二型の緯度クラインには遺伝的基礎があることがわかった.また,どの集団とも,高温で発生させるほど雄の尻鰭は長くなり,性的二型の程度が拡大した.これは,低緯度に生息する雄ほど,遺伝的に尻鰭が長いだけでなく,可塑的にも尻鰭を長く発現することを示唆している,性的二型の緯度クラインにおける遺伝的基礎は,低緯度の集団および種ほど強い性淘汰圧にさらされていることを示唆している.高緯度に比べ相対的に繁殖期が長い低緯度では,雄間の生涯繁殖成功の差が潜在的に大きくなることが,雌の強い配偶者選好性を進化させた生態的背景となったのかもしれない.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)