光合成反応からみた都市環境における樹木の乾燥ストレス耐性機構
Project/Area Number |
16770015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
富田 祐子 (半場 祐子) 京都工芸繊維大学, 生物資源フィールド科学教育研究センター, 助教授 (90314666)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 乾燥ストレス / 街路樹 / 都市環境 / 炭素安定同位体 / 二酸化炭素 / 栽培実験 / 苗木 / 光合成 / 気孔コンダクタンス / 拡散抵抗 / 水利用効率 |
Research Abstract |
京都の都市部において街路樹がどのような乾燥ストレスを受けているのかを推定するために、次のような調査実験を行った。 1)京都市内および京都近郊の山間部における街路樹のストレスを推定するための野外調査 2)街路樹として使用頻度が高い樹種について人為的に乾燥ストレスをかけて苗木の栽培実験を行い、乾燥ストレス耐性を推定 野外調査では乾燥ストレスの指標として、簡便で多数のサンプルで分析ができる葉の炭素安定同位体比を使用した。大気の安定同位体比の影響を補正する必要があるため、葉のサンプリングと大気のサンプリングを同時に行った。その結果、次のことが明らかになった。 1)都市部においては樹木が光合成をする際に自動車等の排気ガス由来の二酸化炭素がかなり利用されている 2)大気の安定同位体比に排気ガスが及ぼす影響は1‰程度で、必ずしも大きくなかった 3)都市部と郊外山間部では乾燥ストレスにそれほど差はないが、都市部の河川流域では明らかに乾燥ストレスが低い 街路樹の乾燥ストレスに影響を与える要因としては、都市環境と山間部という環境の違いよりは、付近に河川がある等の局所的な環境要因がより重要であると推察された。 一方、栽培実験では、乾燥ストレスをかけた場合、常緑樹であるクスノキが、落葉樹であるツツジや裸子植物であるイチョウと比べて成長がよく光合成速度も高かった。常緑樹であるクスノキは冬期も光合成を行うことから、二酸化炭素の吸収という面では他の樹種よりもすぐれていると考えられ、街路樹としての積極的な利用が望まれる。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)