クラゲの受精時の卵内Ca^<2+>濃度上昇の役割の解明
Project/Area Number |
16770055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Animal physiology/Animal behavior
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
出口 竜作 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (90302257)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | フサウミコップ / 刺胞動物 / カルシウムイオン / MAPキナーゼ / U0126 / 受精 / 精子誘引 / 細胞周期 / エダアシクラゲ / 卵表層 |
Research Abstract |
昨年度の研究では、エダアシクラゲの受精時の卵内Ca^<2+>濃度上昇がMAPキナーゼの不活性化を引き起こすこと、また、このMAPキナーゼ不活性化が精子誘引の停止や細胞周期の開始といった受精後に見られる一連の現象を引き起こしていることを見い出した。本年度は、このようなMAPキナーゼの役割に対する理解をさらに深めるため、非常に透明で直径も大きい卵を放出するフサウミコップという種のクラゲを用いた実験を行った。フサウミコップ卵においても、受精後にMAPキナーゼが不活性化していることがウェスタンブロットにより確認された。また、未受精卵にMEK(MAPキナーゼキナーゼ)を投与したところ、受精卵と同様に、精子誘引の停止と細胞周期の開始が誘起された。MEK投与後のG_1/S期の移行(蛍光標識したdUTPの核への取り込みにより確認)、核膜の崩壊(微分干渉顕微鏡により確認)、およびその後の細胞質分裂などの各過程は、受精卵とほぼ同じタイムコースで進行した。未受精卵を動物半球と植物半球に二分し、それぞれの卵断片の精子誘引能力を比較したところ、その両者に差は見られなかった。また、精子誘引能力は、ピペットを用いて抜き取った卵の細胞質にも認められることが分かった。この細胞質による誘引能力は、未受精卵でもすでに精子誘引を停止した受精卵や卵割期の胚でも同等であった。以上の結果は、(1)クラゲの未受精卵では精子誘引物質が卵表全体から放出されていること、(2)受精後の精子誘引の停止は誘引物質の卵外への放出機構の停止に起因すること、(3)受精後のMAPキナーゼの不活性化がこのような精子誘引停止、並びに細胞周期開始を誘起していること、を強く示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)