Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
ショウジョウバエ胚中枢神経系では、神経幹細胞が転写因子Hunchback,Kruppel(Kr),Pdm,Castor(Cas)を細胞分裂に伴い順次発現し、時間経過とともに異なった特性を持つ神経細胞系譜が形成されることがこれまでに示されている。しかし、Castor発現以降に神経幹細胞で発現する因子やその発現制御機構については明らかになっていない。この点を検討するため、私は神経系譜形成後半期に神経幹細胞で一過的に発現する転写因子を数種同定した。まず神経系譜形成の前期に一過的な発現が示されているSeven-up(Svp)は、作製した抗血清を用いて解析したところ、後半期の神経幹細胞でもCas以降に一過的に発現することが分かった(以降Svp(2))。さらにCasは神経幹細胞での発現が一旦途絶えた後、後半期に再び幹細胞で一過的に発現することが分かった。また線虫発生過程での細胞系譜形成に必須でKr-type Zn fingerモチーフを持つlin-29のハエホモログ(CG2052)を神経幹細胞で一過的に発現する因子として新規同定した。作製した抗血清を用いた解析により、CG2052は2回目のCas(以降Cas(2))発現以降の系譜形成後期過程で発現することが分かった。これら解析により神経系譜形成の後期過程においてはSvp(2),Cas(2),CG2052が神経幹細胞で細胞分裂に伴い順次発現することが明らかになった。また胚頭胸部の神経幹細胞は胚発生終了時に一旦細胞分裂を休止し、2齢幼虫初期に細胞分裂を再開させ神経系譜形成を行なうことが知られている。頭胸部の神経幹細胞分裂休止・再開時の転写因子の発現を解析したところ、神経幹細胞はSvp(2)を発現する直前のタイミングで休止状態に入り、2齢幼虫期の細胞分裂再開時には、Svp(2),Cas(2),CG2052を順次発現することが分かった。これにより胚期神経幹細胞での転写因子発現シークエンスは分裂休止状態を経た幼虫期においても保存されていることが明らかになった
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