交通車両内における高齢者や障害者の機能性に配慮した設備のあり方に関する研究
Project/Area Number |
16770188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生理人類学
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西岡 基夫 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助手 (90347500)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 鉄道車両設備 / 人間工学 / バリアフリー / ユニバーサルデザイン / インテリデザイン / インテリアデザイン |
Research Abstract |
今年度は吊り輪の利用実態に着目し,吊り輪利用時の動作・姿勢についての分析を行った。吊り輪利用時の各身体部位の状態や把持状態、荷物保持の有無などを経時変化や性差・年齢差などからクロス集計を行った。その結果、身長差と吊り輪の握り方に関連性がみられることが明らかになった。 さらに利用姿勢と身体負担の関係などをより詳細に把握する為に、長時間での吊り輪の利用実験を行った。被験者に1時間程度実車で吊り輪を利用させ、その時の利用方法・姿勢などを記録した。その結果、吊り輪の長時間利用では握り手と足裏で、負担・疲労が顕著であるといえた。また利用者の大半は上半身から下半身へと負担が推移することも明らかになった。利用者はこれらの負担を軽減させる為に概ね20分おきに姿勢を変化させる。特に吊り輪の握り方や肘関節角度、膝関節角度などで調整を行う傾向がみられ、上肢の疲労を軽減し安定させた上で下半身の負担を回避する状況が推測できた。 また車両の加速方向と利用者の立ち位置との関係から、快適な吊り輪の設置条件はその高さだけでなく、前後左右を含めた利用者との位置関係を踏まえて検討する必要があった。そこで、支持具と利用者の位置について、3次元的にとらえて検証を行うこととした。ロードセルを内蔵した支持具の高さを可変させ、被験者の立ち位置なども変化させながら、静的条件だけでなく、外乱を与えた動的条件でも測定を行い、主観評価・床反力・筋活動量などを計測した。その結果、支持具は現状の標準的吊り輪位置よりやや低い位置に設定する方が、低身長群での安定性が増すことが示唆された。女性専用車両などの導入に伴い、これまで男性の標準的身体寸法を基準としていた鉄道車両内設備の計画において、身体寸法差に留まらず、筋力差やボディバランス保持力の差などを考慮した設備計画の選択肢を用意する重要性が、本研究から確認することが出来た。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)