水稲穎果の炭水化物受け入れ能力からみた、高気温下における登熟阻害要因の解明
Project/Area Number |
16780007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Crop science/Weed science
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University (2006) Niigata University (2004-2005) |
Principal Investigator |
塚口 直史 石川県立大学, 生物資源環境学部, 講師 (40345492)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 水稲 / 登熟 / 高温 / 外観品質 / 非構造性炭水化物 / 籾温 |
Research Abstract |
昨年度までの結果より、登熟期前半の穎果当たりの炭水化物供給量と玄米千粒重あるいは外観品質との間に正の関係が認められること、および高温下では穎果の正常な成長のためにより多くの炭水化物量を必要とすることが明らかとなった。今年度は高温により被害を受けやすい玄米の外観品質に特に着目し、その品種間差異について、炭水化物供給量および玄米密度の観点から解析を行なった。 1.高温登熟条件下で被害粒発生程度の異なる品種について、登熟期前半の穎果あたりの炭水化物供給量と外観品質との問の関係を比較した。その結果、各品種について炭水化物供給量が一定以下となると炭水化物供給量と外観品質との間に直線的な関係が認められる炭水化物供給量の閾値が存在し、その閾値には品種間差異が存在することがわかった。高温登熟条件下でも被害粒発生程度の小さい品種では炭水化物供給量の閾値が小さい傾向にあったが、必ずしも被害粒発生程度の順位と閾値の順位は一致しなかった。もっとも被害粒発生程度の大きかった「こしいぶき」では、閾値が小さいことに加えて、籾一粒当りの炭水化物供給量が大きいことがわかり、高温登熟性に優れるためには炭水化物供給量の閾値が小さいことおよび籾一粒あたりの炭水化物供給量が大きいことが必要であることがわかった。 2.被害粒の発生程度の異なる品種間で玄米体積と玄米重との関係について比較した。玄米体積と玄米重との間には直線的な関係が認められたが、高温によるその関係に対する影響には品種間で異なる傾向が認められた。すなわち、被害粒発生程度の高い「初星」では、高温下では玄米重が低下する一方で玄米体積の低下は小さく、被害粒発生程度の低い「コシヒカリ」では高温により玄米重および玄米体積ともに低下した。このように玄米の肥大生長に及ぼす高温の影響は品種間で異なることがわかり、外観品質との関連が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)