作物根における活性酸素の消去能ならびに生成抑制能と耐塩性との関係
Project/Area Number |
16780009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Crop science/Weed science
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平井 儀彦 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (80263622)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 耐塩性 / 根 / 活性酸素 / シアン耐性呼吸 / イネ / オオムギ |
Research Abstract |
塩ストレス条件におかれた植物では,発生した活性酸素により細胞障害を受けることが報告されている.塩ストレス下の根の機能維持はNa吸収抑制に重要とされるが,根の活性酸素障害から耐塩性を検討したものはない.前年度の実験において,イネの耐塩性程度には根のO_2^-生成量が密接に関係しており,その消去酵素活性ならびにシアン耐性呼吸の増大は,耐塩性向上に貢献すると考えられた.そこで,本年度は,活性酸素の影響によるNa吸収過程について検討するとともに,種間における耐塩性の差の原因について検討した. イネ品種に塩処理を行ったところ,耐塩性品種では茎葉部のNa含有率が低かった.また,耐塩性品種では,塩条件下での根の活性酸素消去酵素であるカタラーゼとアスコルビン酸ペルオキシダーゼの活性が高かった.根の根端細胞を調べたところ,感受性品種では,根の細胞死が起こっていた.このため,Naによって引き起こされた活性酸素の消去能が低いと細胞死が引き起こされ,Na吸収量が増大すると考えられた.また,オオムギとイネの耐塩性程度を調べたところ,オオムギでは,活性酸素の消去酵素であるグルタチオンレダクターゼの活性がイネより高いことが認められた.一方,シアン耐性呼吸をオオムギとイネで比較したところ,塩処理下におけるオオムギのシアン耐性呼吸は高まらなかった.このことから,オオムギの耐塩性が高いのは,活性酵素の生成抑制能ではなく,活性酸素の消去能が高いことが重要と考えられた.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)