Project/Area Number |
16780049
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川東 正幸 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (60297794)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 溶存有機物 / 疎水性画分 / 親水性画分 / 黒ぼく土 / 収着 / 物質循環 / 炭素貯留 / リター |
Research Abstract |
種々の土壌において、リター層で生成された溶存有機物の動態は土壌生態系における炭素・窒素を中心とした元素循環に強く影響する。黒ぼく土では火山灰を母材として生成した二次鉱物の構造特徴から溶存有機物の大部分が土壌固相に保持されると考えられた。一方で、土地利用や植生の違いはリター層の構成有機物および集積形態に影響を与えることから、生成される溶存有機物の量・性質にも影響を及ぼすことが予測される。本研究では異なる植生下の黒ぼく土における溶存有機物の収着特性を明らかにし、溶存有機物の組成と黒ぼく土の鉱物的特徴との関係から考察した。前年度はスギリターとコナラリターから得た溶存有機物の収着特性の相違を比較検討した。いずれのリターから得た溶存有機物も黒ぼく土に強く吸着され、その吸着は溶存有機物の組成すなわち樹種に依存しなかった。これまでに親水性有機成分は無機鉱物に吸着されにくいことが報告されていたが、黒ぼく土では同画分も強く吸着し、脱着しにくいことが明らかになった。本年度は異なる母材からなる黒ぼく土を対象として異なる樹種を組合せた収着実験を実施した。その結果、樹種の相違による溶存有機物の組成の違いは土壌への収着に影響を及ぼさないことがわかった。一方で、黒ぼく土に含まれる三二酸化物含量は溶存有機物収着に対する強い支配因子になることが明らかになった。また、降灰年代の異なる火山灰の集積により生成した埋没黒ぼく土での溶存有機物の収着は降灰年代と三二酸化物含量に依存していた。それら収着の酸化物含量依存性は高い相関係数を伴ったべき乗関数で表され、異なる土壌から得たデータを加えてもその関係は維持された。従って、黒ぼく土を含む多くの土壌の溶存有機物の収着は三二酸化物含量に依存するが、その収着は溶存有機物の質には関係が乏しく、黒ぼく土の構成二次鉱物は殆どの有機物種に対し強い吸着媒であることが明らかになった。
|