Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
リグニンの主要構造をもつ機能性グリーンポリマーの合成に取り組んだ。市販のアセトフェノン誘導体をブロム化して調製したモノマーの重縮合と、それに続く還元処理により、リグニン側鎖が2炭素の非天然型の直鎖状リグニン様ポリマーを合成した。まず、グアヤシルタイプのモノマーを調製し、重合条件を詳細に検討した。その結果、クラウンエーテルやヨウ化カリウム(KI)、相間移動触媒であるテトラブチルアンモニウムヨージド(nBu_4NI)を添加することにより、いずれの場合も重合度が高くなることが判明した。中でも特にヨウ化カリウムの効果が大きいことがわかった。次いで、反応温度と反応時間の影響を検討した。その結果、反応を室温で行い、反応時間を24時間とした場合に最も高い重合度のものが得られ、重量平均重合度で47.2に達した。また、シリンギルタイプ、P-ヒドロキシフェニルタイプのモノマーについてもアセトフェノン誘導体を出発物質として調製し、モノマーの重合および還元処理により、それぞれ重量平均重合度が20.9と29.8のリグニン様ポリマーへと変換した。さらに、アセトバニロンから4段階の反応により、リグニン側鎖が3炭素のモノマーを調製した。そのモノマーの重合および還元により、グアヤシルタイプの天然型人工リグニンポリマーの合成にも成功した。重量平均重合度は19.6-30.6となった。得られた人工リグニンポリマーの熱重量測定(TG)を行い、熱的性質などの高分子特性についても検討した。
All 2005
All Journal Article (1 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)
Org.Biomol.Chem. 3(6)
Pages: 1067-1073