Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究では閉鎖集団として長期間維持されてきた兵庫県産黒毛和種(但馬牛)集団を対象とし,遺伝的改良量と多様性の維持に対する重要度を調節できる種雄牛の供用頻度導出法を検討した。 但馬牛繁殖集団の血統および育種価情報を利用して,現実の繁殖構造に則った選抜交配シミュレーションを行った。種雄牛の供用頻度は,遺伝的改良量に1-w,多様性にwを重み付けした方法により,遺伝的アルゴリズムによる探索で決定した。アルゴリズムにおける染色体にはバイナリー方式の遺伝子を採用し,2進法により種雄牛の供用頻度を表現した。集団には脂肪交雑を想定した選抜を適用し,400日を1サイクルとするシミュレーションをCycle 25まで実施した。 現在の但馬牛集団で認められる非常に偏った供用頻度を継続した場合と比較すると,多様性のみを考慮(w=1)して決定した頻度は,改良量を84.5%に低下させるものの,近交度は44.8%に抑制され,顕著な近交抑制効果を示した。またwを0に近づけるにしたがって,供用される種雄牛は選抜対象形質に優れた少数の種雄牛に集約し,結果として近交度は増加する傾向にあったが,改良量はw=0.5を境にほとんど変化しなくなった。これは選抜を的確に実施し,同程度の遺伝的能力を持った複数の種雄牛をラインアップする重要性を示唆している。遺伝的アルゴリズムを利用した供用頻度の決定方法は,対象とする集団の多様性や改良レベルに応じた重み付けが選択でき,中期的な改良に有効な手法となる可能性が示唆された。 本研究の成果は,平成18年3月に開催される日本畜産学会にて発表予定である。
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