裁培植物からの遺伝子流動が近縁野生植物の集団構造に及ぼす影響
Project/Area Number |
16780222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Boundary agriculture
|
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
秋本 正博 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (60312443)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Keywords | 遺伝的浸食 / 野生イネ / 浸透交雑 / 繁殖特性 / 世代交代率 / 遺伝子多様度 / マイクロサテライト / 集団構造 |
Research Abstract |
ミャンマー国内に存在する7つの野生イネ(Oryza rufipogon)集団について、マイクロサテライトマーカーを用いた遺伝構造解析を行った。調査を行った7つの集団には、多年生野生イネの集団が3つ、一年生野生イネの集団が3つ、および多年生と一年生の中間型の野生イネの集団が1つ含まれている。これらの集団について遺伝子多様度を算出したところ、多年生集団の値が、一年生集団の値に比べ高くなる傾向を示した。また、中間型集団の値は一年生集団の値と同程度であった。それぞれの集団に隣接する水田から採集された栽培イネについても同様の解析を行い、野生イネとの遺伝子型の比較を行った。多年生生態型の集団では、水田近傍で採集された野生イネ個体に栽培イネと共通のマイクロサテライトアレルが多く確認できた。一年生生態型の集団では、集団内の特定の位置に偏らず、栽培イネと共通のアレルを持つ野生イネ個体が確認できた。このことは、多年生生態型の集団と一年生生態型の集団とでは、栽培イネからの遺伝的浸食の生じ方に差異があることを示唆している。一般に、多年生集団は、一年生集団と比較して他殖率が高く、世代交代率が低い。そこで、他殖率と世代交代率を因子として栽培イネ-野生イネ間の遺伝子流動のシミュレーションを行った。その結果、栽培イネから野生イネへの遺伝子流動には、栽培イネとの交雑頻度と集団内の個体の入れ替わりの頻度の両方が関与していることが分かった。多年生集団は、栽培イネとの交雑頻度が高いものの、形成された雑種が集団内に参入しにくい。一年生集団は、栽培イネとの交雑頻度が低いものの、形成された雑種が集団内に参入しにくい。この多年生集団と一年生集団の特性の違いが、両集団における栽培イネからの遺伝的浸食の様式に変化を生じさせていると考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)