植物由来の新規生理活性物質・レピジモイドが根圏微生物フロラに及ぼす影響
Project/Area Number |
16780223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Boundary agriculture
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 小須弥 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (70292521)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | アレロパシー / オリゴサッカライド / 成長促進 / レピジモイド / レピジモイド酸 / アレロケミカルズ / アークチゲニン / アークチゲニン酸 / クロロフィル合成 / 細胞伸長 / Glu-tRNA reductase / SAUR |
Research Abstract |
植物、微生物などの生物によって体外に放出される化学物質が、同種の生物を含む他の生物個体の生育に促進・阻害的な影響を及ぼす現象はアレロパシーと呼ばれ、アレロパシー活性を有する化学物質は一般にアレロケミカルズと総称される。植物はこの生物機能を有効に活用しながら与えられた環境に適応し、種の繁栄を図っている。種子の発芽過程は外界の影響を最も受けやすいことから、生命維持を図るための巧みな生物機能が働いていると考えられている。過去にクレス発芽種子の粘性多糖から促進的アレロケミカルズとしてレピジモイド(lepidimoide)が単離・同定されていたが、その後の研究でゴボウの発芽種子分泌液にレピジモイドを上回る活性が確認され、大量のゴボウ発芽種子分泌液から促進的アレロケミカルを二種類単離することができた。NMR、MSスペクトルなどから一つは既に抗菌活性物質として報告されていたアークチゲニン(afctigenin)、もう一方は新規の化合物であり、ゴボウの学名(Arctium lappa)にちなんでアークチゲニン酸(arctigenic acid)と命名した。一方、レピジモイドの有する植物成長促進活性を農作物の生産向上に応用するため、既知のオクラ粘性多糖類からレピジモイドを合成する方法に改良を加え、大量に合成した。ロックウール上で培養した植物に対してレピジモイドは有意な成長促進活性を示したが、土壌培養では期待された程の活性が得られなかった。土壌栽培の植物へのレピジモイドの効果的な施用法を開発し、レピジモイド処理した土壌の微生物群集構造を解析することを最終目的としていたが、その施用技術の開発までは至らなかった。また、キュウリ子葉切片を用いた実験からレピジモイドの新たな生理活性として発根促進作用を見出した。今後は挿し木などの発根促進剤としての利用が期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)