イオンチャネル作用薬の効率的探索を指向した新規膜電位応答性色素分子の開発
Project/Area Number |
16790009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野々村 太郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (80302082)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 膜電位 / 蛍光色素 / 脂溶性イオン / 脂質二重膜 / イオンチャネル |
Research Abstract |
以下のような新規作動原理を持つ膜電位応答性蛍光色素の開発について検討を行った。細胞表面に露出するよう配置された2種類の蛍光色素、細胞膜に埋没した脂溶性イオンからなる電位センサー部位、およびそれらを繋ぐ細胞膜の厚さ分の長さを持つ2本のリンカーから構成される。一般に細胞膜中の脂溶性イオンは細胞質側近傍か細胞表層側近傍に位置し、その分布比はイオンの電荷と周囲の膜電位に依存する。脂溶性イオンの膜電位変化に伴う膜垂直方向への移動により、連結された2つの色素間平均距離は脂溶性イオン部位が細胞質側に来た時に最小値をとり、細胞表層側に来た時には束縛が失われるため側方拡散により色素間距離は最大で膜厚の2倍へと水平方向の距離情報に変換されると期待できる。蛍光色素間のFluorescence resonance energy transfer (FRET)によるエネルギー移動効率は距離の6乗に反比例するため、ドナー側の色素を選択励起した際のそれぞれの色素の蛍光強度比から距離を推定でき、膜電位変化と関連付けられる。 本年度も昨年度に引き続き色素の合成を行った。脂溶性イオンにはトリフェニルホスホニウム塩を用いる事とした。本系では蛍光団は膜外に露出するため、水中で十分な蛍光強度を持つ事が求められる。そこで、この条件を満たすクマリン系、フルオロセイン系の蛍光色素をそれぞれドナー、アクセプターとして採択した。さらに、種々の置換基を持つ蛍光色素の光学特性データから、比較的短い距離変化に応答する色素の組合せを選択した。比較対象の為に合成したトリフェニルホスフィン部位とフルオロセイン部位のみの組み合わせの化合物を用いてtsA201細胞への取り込みを共焦点蛍光顕微鏡により観察したところ、期待通り細胞膜への局在化が確認出来た。より高い脂溶性を持つであろう最終目的物の細胞膜局在化への期待が持てる結果を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)