Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
Faulknerらによってパラオ産ホヤより単離構造決定された,高いHIV-1プロテアーゼ阻害活性を有するジデムナケタールの不斉全合成について研究を行った.まず,左側側鎖の合成について検討を行った。すなわち,エナンチオ選択的クロチル化反応を鍵反応としてキラル中心を高立体選択的に構築し左側側鎖のエナンチオ選択的合成に成功した.次に,分子右側のスピロケタール部位の合成について検討した.その際,スピロケタール部位を4つのフラグメントに分割し,高度に収束的な合成経路を立案した.まず,4つのフラグメントをそれぞれ,市販の光学活性ビルディングブロック,または酵素反応などを駆使して高エナンチオ選択的に合成した.次に,4つのフラグメントのうち,2つずつをそれぞれ鈴木宮浦カップリングないしはアルケニルリチウムのアルデヒドへの付加反応を用いて結合し,最後に2つのフラグメントの結合によりスピロケタール前駆体の合成に成功した.このものの保護基の脱保護により速やかにスピロケタール化が進行し,分子右側部位に相当するスピロケタール部位の合成を達成した.本合成経路は,他のグループによって報告されているスピロケタール部位の合成経路より直線工程における工程数が格段に少なく,非常に効率的な合成経路といえる.また,今回合成に成功した左側側鎖部位と右側スピロケタール部位双方を合わせると,ジデムナケタールの炭素数は揃っており(エステル部位等は除く),双方のフラグメントの結合による全合成の達成も近いと考えている.また,スピロケタール部位の合成に関し,現在欧文誌に速報として論文作成中である.
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